「第3回血管吻合Lab」を開催しました。

第3回 血管吻合Lab

実施日:平成24年1月26日
実施場所:徳島大学スキルスラボ
参加者:合計9名(うち指導医2名)

脳神経外科手技のトレーニングを目的として、第3回血管吻合Labを開催した。講習内容は前回同様実体顕微鏡下に、約1mmの人工血管または手羽先血管を血管吻合術用非吸収糸(10-0 PROLENE)を用いて吻合する事に加え、今回は新たに2つの機材を導入し血管吻合の講習を行った。1つは生体脳組織に近似したシリコンを用いて作成された脳モデル(深部血管吻合用精密模型(KEZLEX))を土台に、人工血管を吻合する方法で、これにより実際の手術に近い環境(縫合部の傾斜角度や土台の弾性度等が実際の手術に近い状態となる)で吻合トレーニングを行うことができるようになった。もう1つは川崎医科大学脳神経外科 宇野昌明教授開発の内頚動脈狭窄モデルを用いた、頚動脈内膜剥離術のトレーニング方法で、この擬似内頚動脈狭窄モデルには擬似プラークが付着しており、擬似プラークを剥離する感覚は、実際のプラークを含めた内膜剥離の感覚と非常に近い感覚であり、頚動脈内膜剥離術を擬似体験できるモデルとなっている。実体顕微鏡下に内膜を剥離し、最後は内頚動脈切開部を縫合して手技を終了する。頚動脈内膜剥離術のトレーニングは今回初めての試みであったが、想像以上に実際の手術に近い環境で練習することができ好評であった。参加者は顕微鏡手術を擬似体験し、その難しさと技術習得の喜びを体感することができたと思われる。今後も新たなトレーニング方法の導入と、多くの研修者の参加受け入れを予定している。
                      (文責:徳島大学病院脳神経外科 兼松康久)

年度別活動報告: 2012年度