研修紀行(日本医科大学付属病院 2010.6-7)
大分中村病院 医師 四方英二
6/1~6/7まで日本医科大学の救急救命センターで研修を行いました。
まず驚いたのは東京の救急現状です。新聞などで急患のたらい回しが問題となっていますが、いずれも都心に多い傾向があります。とりわけ東京は二次救急病院が多いですので、「どこかの病院で受け入れてくれるだろう。」と安易な気持ちで救急患者を断るのだそうです。結局、最後の砦として日本医科大に運ばれる症例も多く、救急救命センターのありがたみを肌で感じました。
また、救急現場から直接電話がかかることもあります。その時はDr同乗の元、救急車が出動します(同乗すると猛スピードで少し怖い)。目的は3次救急かどうかの判定を行うためですが、到着時にはすでに別の消防車、救急車が駆けつけており、CPRが必要な時はポンプ隊と呼ばれる方々がすでに開始しています。現場に近いスペシャリストから真っ先に駆けらるシステムであり、地方にはない東京のマンパワーに驚きました。
ICUでは3グループに分かれた医療班が、さまざまな重症患者の治療にあたっています。チームの構成は日本医大の救急専門医をリーダーとし、全国各地の医師が集まっており和気あいあいと議論しています。カンファレンスでは普段目にできないような疾患も多く、画像に関しても興味深い症例が多いです。また緊急性が高い場合は決断が早く、必要とあらばICUで緊急手術が行われることもしばしばです。モニター管理も充実しています。脳外科領域ではPiCCOが導入されており、クモ膜下出血の周術期に肺水腫やCVPの管理を行っています。また、ICPモニターを設置することで、急変時いつでも対応できるシステムになっています。
わずか1週間という短い期間でしたが、なかなか経験できない環境であり大変勉強になりました。
横田先生を始めお世話になった日本医大の方々に厚く御礼申し上げます。