神戸大学医学部付属病院研修報告(研修期間11/24-25)
徳島大学病院 心臓血管外科 木下肇
この度、高度医療人養成プログラム研修の一環として、神戸大学心臓血管外科にて研修をさせていただきました。同期の医師が前回研修させていただき、感銘を受けていたので私も同院での研修を希望しました。今まで学会やビデオなどでしか見たことの無い、大北先生の手術が実際に見られるという期待を胸に、わくわくしながら研修しにいきました。研修は2日間の期間でした。
まず、初日は朝のカンファレンスから始まりました。大北先生は学会で見た以上に存在感がある方でした。カンファレンスは術後カンファレンス、術前カンファレンスを行っていました。後ろの黒板に手術予定を書いてありました。数ヶ月先まで手術予定が決まっておりびっくりしました。
挨拶も早々に、いきなり手術室に案内していただきました。初日は遠位弓部瘤のtotal archでした。休暇や学会などと重なっており、医員が少ないからと言うことで最初は指導医の宮原先生と二人で開胸させていただきました。予期していなかったので戸惑いましたが、人工心肺の糸掛けまでは一緒にさせていただきました。Pump onとともに大北先生が登場。弓部の剥離は電気メスで5分程度、頸部3分枝をtapingし、選択的脳分離下に末梢側吻合。中枢側吻合、頸部3分枝の吻合。特に特別なことは何もしていないのにとにかく早い。体外循環時間は25分程度でした。
Pump offからは私も含め3人で閉胸しました。先生方の大学生活や仕事の話などさまざまな話をしていただきました。同期の先生が4人いて、お互いに違う大学で環境も違う中で影響しあって切磋琢磨しておられる、非常に雰囲気がいい医局でした。
とにかく手術のqualityの高さは想像以上でした。圧倒的なスピードと正確さ、一つ一つの動きがとても正確であることを実感し、感銘を受けました。僕もいつかは…と思いました。
初日に歓迎会を開いていただきました。手術に一緒に入ったからと当直であった宮原先生が急遽交代で来ていただきました。大北先生も来ていただき、留学時代の話から神戸のおいしい店の話まで色々話をしていただきとても楽しい一日でした。
2日目は大動脈弁置換術でした。執刀は田中先生でした。大北先生は指導医として第1助手をされておられました。解剖から吻合する場所など細かくわかりやすく、そして術者の緊張が和らぐ物腰は圧倒的な経験と知識、緊急時の対応などすべてがわかっているからなんだなと助手をしていてもわかりました。
緊急手術もあり、忙しい中ご指導していただき本当に有意義な研修でした。最後になりましたが、このような機会を設けていただいた神戸大学岡田先生、ならびにご指導していただきました先生方には大変感謝しております。今回の貴重な経験を生かして、日々の診療に還元できればと思います。