徳島大学病院救急集中治療部の研修

徳島大学病院 救急集中治療部
医員 田根 なつ紀

徳島大学病院 救急集中治療部 医員で卒後5年目の田根と申します。自分が行った治療に対する患者さんの反応ですぐに次の治療法を考えられる急性期治療に興味があり徳島大学病院のICUと徳島県立中央病院の救急外来で研修をしています。

徳島大学病院のICUには、心筋梗塞、術後管理、敗血症性ショックや多臓器不全など重症患者さんがたくさん入室します。後期研修1年目は上級医とともに、カテコラミンや抗菌薬など、薬剤の考え方、人工呼吸器管理の実際、急性期の栄養管理方法に加え、人工心肺などの体外循環、血液浄化法を学びます。後期研修2年目からは、夜間当直時に責任者として救急病棟の管理を行うようになります。重症患者さんを診療しているプレッシャーは大きいですが、上級医の助けも借りて、日々患者さんを治療しています。

急性期の醍醐味は、救命につながるという達成感だと思います。患者さん自身は急性期のことを覚えていない事が多いのは、正直残念ですが、あれだけ重症だった患者さんが元気になって退院されたと知るとやりがいを感じます。反対に、重症で、我々にできることがなくなり、患者さんが亡くなっていくとき、患者さんが苦しくないように、あるいは、家族が後悔しないように、終末期をどのように過ごしてもらうかを考えるのも我々の仕事です。看取る事も勉強になります。

人工呼吸器管理では、気管挿管による侵襲的陽圧換気法だけでなく、High-flow Nasal cannulaなどの非侵襲的陽圧換気法も行います。これらは、救急科ではなくても、患者さんの急変時の対応に役立ちます。集中治療専門医を目指している方でなくても、短期的にでも当院ICUで研修して経験してみれば、患者さんの急変時に足がすくんで動けないという辛い経験はしなくて済むのではないでしょうか。

研修スタイルも柔軟性があり、他科や他病院から期間限定で研修に来ている先生もいますし、私のように救急外来を勉強できる機会もあります。
是非見学にいらしてください。皆さんのお越しをお待ちしています。

診療科: 救急集中治療科