阿波徳島リハビリテーション科(徳島大学病院拠点)専門研修プログラム
プログラムの概要・特徴
リハビリテーション科専門研修プログラムは、2018年度から始まった新専門医制度のもとで、リハビリテーション科専門医になるために、編纂された研修プログラムです。日本専門医機構の指導の下、日本リハビリテーション医学会が中心となり、リハビリテーション科専門研修カリキュラム(以下、研修カリキュラムと略す)が策定され、さまざまな病院群で個別の専門研修プログラムが作られています。
阿波徳島リハビリテーション科専門研修プログラムは、徳島大学病院リハビリテーション科が地域の連携施設と密に連絡を取りあい、研修医の希望を取り入れながら研修を進めていきます。地方の立地を生かし、多くの症例の経験ができ、専攻医の皆さんの多様な希望にこたえられるプログラムを提供します。徳島県は人口68万人、高齢化率34%の超高齢社会先進県です。大都市と比較して患者数ではかないませんが、以下の点で有利であり研修を勧めます。
阿波徳島リハビリテーション科専門PGの特徴は以下の通りです。
1)徳島県内のほとんどすべての難治症例が徳島大学病院に搬送される。したがって基幹病院である徳島大学病院で研修することは、多くの難治症例を経験することができる。研修医数も少ないので懇切丁寧な指導が期待できる。また、他の診療科との関係が良好であるので、各疾患の急性期治療過程を学ぶことができる。
2)連携施設である国立病院機構とくしま医療センター西病院では、神経難病やロボットリハビリテーションの豊富な症例がある。
他の連携施設は、急性期治療にも活発に取り組んでいる。
3)全ての施設は地域の基幹リハビリテーション施設で、生活期の関連施設・訪問診療も充実しており、一般的疾患も含めてリハビリテーション医療の全過程を研修できる。
4)研修医数が少ないので、研修に適した症例を選択することができる。
5)地方都市ならではのぬくもりがあり、人間関係でストレスを感じることが少ない。
6)他の大学出身者に対しても優しく対応し、差別しない。
7)連携施設がコンパクトにまとまっている。
8)徳島地域包括ケア学会と連携し、地域のリハビリテーション医療の核となっている。
阿波徳島リハビリテーション科研修PG においては指導医が皆さんの教育・指導にあたりますが、皆さんも主体的に学ぶ姿勢をもつことが大切です。リハビリテーション科医は自己研鑽し自己の技量を高めると共に、積極的に臨床研究等に関わりリハビリテーション医療の向上に貢献することが期待されます。リハビリテーション科専門医はメディカルスタッフの意見を尊重し、患者から信頼され、患者を生涯にわたってサポートし、地域医療を守る医師です。本研修PGでの研修後に皆さんは標準的な医療を安全に提供し、疾病の予防に努めるとともに将来の医療の発展に貢献できるリハビリテーション科医となります。
阿波徳島リハビリテーション科研修PGは、日本専門医機構のリハビリテーション科研修委員会が提唱する、国民が受けることのできるリハビリテーション医療を向上させ、さらに障害者を取り巻く福祉分野にても社会に貢献するためのプログラム制度に準拠しており、本プログラム修了にてリハビリテーション科専門医認定の申請資格の基準を満たしています。
阿波徳島リハビリテーション科研修PGでは、
- 脳血管障害・頭部外傷など
- 運動器疾患、外傷
- 外傷性脊髄損傷
- 神経筋疾患
- 切断
- 小児疾患
- リウマチ性疾患
- 内部障害
- その他
の9領域にわたり研修を行います。これらの分野で、他の専門領域の医療スタッフと適切に連携し、リハビリテーション医療のチームリーダーとして主導して行く役割を担えるようになります。
本研修PGは基幹施設と連携施設の病院群で行われます。研修PG修了後には、大学院への進学やsubspecialty領域専門医の研修を開始する準備も整えられるように研修を行います。研修の一部に臨床系大学院を組み入れるコースも設定します。
プログラム統括責任者氏名
松浦 哲也指導担当医師数
11名研修施設
基幹施設
徳島大学病院リハビリテーション科
連携施設
国立病院機構とくしま医療センター西病院、JA徳島厚生連阿南医療センター、日本赤十字社高松赤十字病院、稲次病院(回復期病棟あり)、田岡病院(回復期病棟あり)、きたじま田岡病院(回復期病棟あり)、中洲八木病院(回復期病棟あり)、徳島赤十字ひのみね総合療育センター
関連施設
鴨島病院、博愛記念病院
研修期間
3年プログラム内容
研修段階の定義:リハビリテーション科専門医は初期臨床研修の2年間と専門研修(後期研修)の3年間の合計5年間の研修で育成されます。
- 初期臨床研修2年間に、自由選択期間でリハビリテーション科を選択することもあるでしょうが、この期間をもって全体での5年間の研修期間を短縮することはできません。また、初期臨床研修にてリハビリテーション科の研修が、専門研修(後期研修)を受けるにあたり、必修になることはありません。
初期臨床研修が修了していない場合、たとえ2年間を経過していても、専門研修を受けることはできません。
また、保険医を所持していないと、専門研修を受けることは困難です。 - 専門研修の3年間の1年目、2年目、3年目には、それぞれ医師に求められる基本的診療能力・態度(コアコンピテンシー)と日本リハビリテーション医学会が定める研修カリキュラムにもとづいてリハビリテーション科専門医に求められる知識・技術の修得目標を設定し、その年度の終わりに達成度を評価して、基本から応用へ、さらに専門医として独立して実践できるまで着実に実力をつけていくように配慮します。研修施設により専門性があるため、症例等にばらつきがでます。
このため、修得目標はあくまでも目安であり、3年間で習得できるよう、個別のプログラムに応じて習得できるように指導を進めていきます。 - 阿波徳島リハビリテーション科研修PG の修了判定には以下の経験症例数が必要です。日本リハビリテーション医学会専門医制度が定める研修カリキュラムに示されている研修目標および経験すべき症例数を以下に示します。
- 脳血管障害・頭部外傷など:15症例
- 運動器疾患、外傷:19症例
- 外傷性脊髄損傷:3症例
- 神経筋疾患:10症例
- 切断:3症例
- 小児疾患:5症例
- リウマチ性疾患:2症例
- 内部障害:10症例
- その他 摂食嚥下障害,不動(廃用)による合併症,がん,骨粗鬆症,疼痛など:8症例
以上の75症例を含む100症例以上を経験する必要があります。
リハビリテーション科専門医資格を受験するためには「本医学会年次学術集会における主演者の学会抄録2篇を有すること。だだし主演者としての発表2回のうち1回は、日本リハビリテーション医学会年次学術集会または秋季学術集会であり、もう1回は日本リハビリテーション医学年次学術集会、秋季学術集会、または地方会学術集会のいずれかとする。」の要件を満たす必要があります。
本研修PGでは徳島大学病院を基幹施設とし、地域の連携施設とともに病院施設群を構成してします。専攻医はこれらの施設群をローテートすることにより、多彩で偏りのない充実した研修を行うことが可能となります。これは専攻医が専門医取得に必要な経験を積むことに大変有効です。リハビリテーション医療の分野は領域を、大まかに9つに分けられますが、他の診療科の多くにまたがる疾患が多く、さらに障害像も多様です。急性期から回復期、維持期(生活期)を通じて、1つの施設で症例を経験することは困難です。さらには、行政や地域医療・福祉施設と連携をして、地域で生活する障害者を診ることにより、リハビリテーション医療の本質も見えてきます。このため、地域の連携病院では多彩な症例を多数経験することで医師としての基本的な力を獲得します。
また、医師としての基礎となる課題探索能力や課題解決能力は一つ一つの症例について深く考え、広く論文収集を行い、症例報告や論文としてまとめることで身について行きます。このことは臨床研究のプロセスに触れることで養われます。このような理由から施設群で研修を行うことが非常に大切です。徳島地区研修PG のどの研修病院を選んでも指導内容や経験症例数に不公平が無いように十分に配慮します。
施設群における研修の順序、期間等については、専攻医を中心に考え、個々の専攻医の希望と研修進捗状況、各病院の状況、地域の医療体制を勘案して、徳島地区専門研修PG 管理委員会が決定します。
ローテート例
- 1年目通年:徳島大学病院リハビリテーション科、 2年目通年: 国立病院機構とくしま医療センター西病院リハビリテーション科、3年目通年:希望の連携施設(回復期リハビリテーション病棟)にて
- 1年目通年:徳島大学病院リハビリテーション科、 2年目通年: 希望の連携施設(回復期リハビリテーション病棟)にて、3年目通年:国立病院機構とくしま医療センター西病院リハビリテーション科
- 1年目通年:徳島大学病院リハビリテーション科、 2年目通年: 国立病院機構とくしま医療センター西病院リハビリテーション科、3年目前半:希望の連携施設(回復期リハビリテーション病棟)にて、後半:徳島大学病院リハビリテーション科
取得可能な専門医
リハビリテーション科専門医募集定員
4名選考方法
書類選考および面接雇用条件
各診療科担当者にお問合せください。連絡先
リハビリテーション部 教授 松浦 哲也
電話番号:088-633-9313
E-mail :tmatsu@tokushima-u.ac.jp