脳神経内科での研修(宮本亮介)

 主に専攻医1年目あるいは専門医試験前後で大学病院での診療に従事しながら、専門医取得に必要な各種神経疾患の診療経験を積むことができます。病棟での業務は、脳血管障害やギラン・バレー症候群、重要筋無力症クリーゼなどの神経救急疾患から、ALSやパーキンソン症候群などの慢性経過の神経変性疾患患者さんの維持、評価入院まで幅広く担当できます。専攻医1名につき上級医1名が指導につきます。また週1回あるいは隔週1回の関連病院での外来業務を担当し、認知症やパーキンソン病などの一般的な神経変性疾患や、脳血管障害の一次・二次予防、頭痛やめまいなどの機能性疾患について経験を積みます。専攻医2~4年目を中心に、希望する研修内容をもとに関連研修病院での勤務をおこないます。

 幅広い知識が要求される神経内科専門医の取得を目指しながら、興味のある専門分野について研修をはじめることも可能です。脳卒中診療に興味があれば脳卒中専門医、脳神経血管内治療専門医の取得を目指して、rt-PA静注療法など急性期内科治療のほか、血管造影検査や緊急での血行再建治療(カテーテル手術)に加わることができます。

 筋電図や神経伝導速度検査は、週2回の検査日に参加して実際に手を動かしながら技能を学ぶことができます。また脳卒中後の痙縮やジストニアなどの運動異常症に対してボツリヌス治療を数多くおこなっています。神経病理についても、著名な学外講師を招いてCPCを行っており、多くを学ぶことができます。

 年2~3回の国内学会、地方会等での発表の機会があります。指導医のサポートのもと、経験症例をまとめ、発表することは知識の整理、定着につながる大切な過程です。当科では、日本神経学会中国・四国地方会において過去10年間に7回の若手奨励賞を受賞しました。

 あらゆる方法を用いて診断をつけ、さらに、(脳神経内科にありがちな、“診断をつけて終わり”、ではなく)患者に寄り添う治療を行う・粘り強く探していくのが当科の強みです。

 是非見学にいらしてください。

徳島大学病院 脳神経内科 特任講師 宮本亮介

診療科: 脳神経内科