総合診療研修

徳島大学大学院医歯薬学研究部総合診療医学分野
助教 中西嘉憲

徳島大学大学院医歯薬学研究部総合診療医学分野助教 中西嘉憲です。
私は徳島大学病院プライマリ・ケアコースで初期研修を終え、当講座に入局しました。
卒後3年目は鳴門病院で2年間在籍、内科研修を中心に総合診療研修を行い、現在海部病院に勤務しております(うち毎週金曜日は専門研修や大学でのカンファレンスを行っております)。

総合診療と聞いてピンと来ない方は多くいるかと思います。世間一般のイメージはどうでしょうか。
ドクターコトーのように限られた資源の中で難手術をこなしてしまうスーパードクター、ドクターGのように難病を身体所見、病歴から明かしていく診断のスペシャリストなどというように、まだこれといったイメージが固まっていない分野であると思います。

ただ、Wikipediaをのぞいてみると、
「総合診療は、患者の生活についての、生物学的、精神的、社会環境に着目し、ホーリズム的な手法である。総合診療医は、患者の特定臓器に着目するのではなく、全体的な健康問題に向き合って治療を行う。総合診療医は、その国のあらゆる年齢および性別の患者を診療できるよう教育がなされる(Wikipedia「総合診療医」の項目より抜粋)」とあります。
これはいままで先人の医師たちが普通に行っていたことを言語化し、学問として確立しようとしている分野であると思います。なので、総合診療のマインドがあればどの科を専門にしようとする医師でも必要なものかと最近思うところでもあります。

また、故木村拓也(木村拓哉にあらず!!元プロ野球選手)のような存在もまた総合診療医の姿なのでしょうか。捕手としてプロの道に入ったものの、投手以外のすべてのポジションを守り、オリンピックの際には選手の一員でありながら裏方に近い存在で、精神的な支柱として選手を支えたのもまた、総合診療医と通じるところがあるのかと思います。
というよりかは木村拓也みたいなユーティリティにあこがれるからこそ、総合診療の道に進みだしたのかもしれません。

偉そうなことを言って現在そのようなことができているのかは分かりません。今はまだ、目の前にある仕事をこなす日々です。
ただ、将来どの道に進むのか、このまま総合診療の道を突き進むのか、専門性を極めていくのかわかりませんが、将来の自分にプラスになると信じて研修する毎日です。

どの科に進む先生であっても、少しでも総合診療の道に興味があれば当講座の門をたたいてみてください。毎週金曜日は大学でお待ちしております。

診療科: 総合診療部