秦教授体制となり5年を経て
2020年2月に秦教授が新教授として就任し現在でちょうど5年が経過しました。徳島大学心臓血管外科がどのように躍進しているかを振り返ってみましょう。
まず症例数が飛躍的に増加しました。開心術(人工心肺下手術及び冠動脈バイパス術)が100例を超え、胸部大血管手術や経皮的大動脈弁留置術などを加えたメジャーサージャリーは安定して200例程度を推移しています。手術総数は秦教授就任直前と比較すると1.5倍以上となっています。他院からの紹介数も増え、急性大動脈解離や大動脈瘤破裂、緊急冠動脈バイパス術なども積極的に行っています。循環器内科や集中治療部などとの連携も深め、より幅広く様々な疾患にも対応しています。先天性心疾患手術なども変わらず行っています。
ウルフ-オオツカ手術と呼ばれる、内視鏡的左心耳切除術を2022年9月に四国で最初に施行しました。脳梗塞の原因となる心房細動の治療及び左心耳内血栓を予防するための手術であり、低侵襲で安全かつ確実に行えます。各種メディアでも取り上げられており、今後更に適応症例が増えることが予想されます。
重症心不全に対する治療として、植え込み型補助人工心臓(LVAD)管理施設の適応を取得しました。徳島では初で、今後実施施設取得に向けても準備を進めています。またImpellaと呼ばれる左室補助装置も多く施行し、より重症な病態についても対応できる様になりました。
こうした中、我が心臓血管外科にも若い医師が加わってくれました。2020年卒の木村優希医師、2021年卒の篠原健太医師、瀧亮佑医師が現在後期研修医として各施設をローテーションしています。彼らは一人前の心臓血管外科医になるべく日夜研鑽を積んでいます。開閉胸や人工心肺着脱だけでなく、既に腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術や大動脈弁置換術、心室中隔欠損閉鎖術などの執刀を経験しています。また手術前のシミュレーションや術後のフィードバック、ウェットラボなどでの実技訓練などを経て確実に成長を遂げています。
皆さんも是非徳島大学心臓血管外科に加わってください。当科で後期研修を行うことで、心臓外科医として新たなスタートを切りましょう!
【篠原医師(手術室集合写真)】 【瀧医師】 【木村医師】
徳島大学病院 心臓血管外科 菅野幹雄